fantasista 2
大好きな戸崎に溺れながら、ふと時計を見る。
針は八時を過ぎていて……
一気に現実に戻った。
「ちっ……遅刻だ!」
飛び上がるあたしは、
「あんたもはやく準備しなよ!」
泣きそうな顔で告げる。
そんなあたしに、奴は衝撃的な言葉を吐いた。
「だって俺、今日休みだし」
「はぁ!?あんた、今日は練習あるって前から……」
「プロポーズに失敗したら、一人になって落ちこもうと思って」
「ばっ……ばっかじゃないの!?」
あたしは叫んでいた。
あたしがプロポーズを断るはずがないじゃん!
こんなに好きなんだから!!