fantasista 2
「俺、これからまた寝るわ」
焦っているあたしをよそに、戸崎はベッドに横になる。
あたしは奴を睨み、
「やっぱりあんたうざい!馬鹿戸崎!」
バッグを引っ掴む。
焦るあたしに奴はのんびり告げる。
「結婚するんだしさー。
お前もいい加減戸崎やめたら?」
「うるさいな、戸崎!!」
あたしは奴を睨んで家を飛び出した。
走る足に合わせて鼓動もリズミカルに音を立てる。
真っ赤な顔は、疲れているからではない。
柊……心の中でそう呼んで、倒れそうになった。