fantasista 2
「そんなことより、今週末だ!
日曜日、お前ん家行くぞ」
「はぁ?」
「お前のオカンに挨拶するぞ」
「えっ!?」
なんでそうなるの?
展開が早くない!?
ぽかーんとしているあたしに、
「もう、逃げんじゃねぇよ」
戸崎は言う。
逃げるもなにも、もう逃げられないよ。
今のあたしには、戸崎がいなきゃ駄目なのだから。
そして、こんな戸崎に助けられたのも事実だ。
お母さんのことで悩むあたし。
挨拶まで時間があったら、さらに色々考えてしまったかもしれない。
きっと、お母さんはあたしの結婚なんかに興味はないけど……
戸崎にすら興味はないだろうけど……
あたしを育ててくれて、大学まで行かせてくれたことには感謝しないといけない。
お母さんへの挨拶は、けじめでもあるんだ。