fantasista 2
「戸崎、ありがとう」
笑顔で言うと、奴は頰を染めてそっぽを向く。
戸崎は意外と照れ屋だ。
そんな照れ屋戸崎はまた、
「だから、戸崎やめろって」
なんて言った。
あたしもね、柊って呼びたい。
でも、なんだか恥ずかしいんだ。
だけど……
「柊……」
真っ赤な顔でそう呼ぶと、真っ赤な顔であたしを見てくれる彼。
そのまま、
「お前……オトコオンナのくせに、マジで可愛いな」
ぎゅっと抱きしめられる。
大好きなその腕の中で、今日も幸せを噛みしめた。
そうだね。
あんたの言う通り、そろそろ戸崎も卒業しないと。
あたしたちは、夫婦になるんだから。