fantasista 2
「それ、本物?」
大迫さんに興味津々で聞かれて、
「残念ながら偽物です」
あたしは苦い顔をした。
そういえば、柊がユニフォームを着ているのを間近で見たのは一度きりだ。
青色のユニフォームを着ている彼を見て、やっぱりアスール東京の戸崎柊なんだとドキドキした。
間近で見たユニフォーム姿、かっこよかったな。
あのかっこいい姿でプロポーズしてくれて……
そんなことばかり考えているあたしは、知らない間に頰が緩んでいたらしい。
「みどりちゃん!
まだ試合も始まっていないのに」
あたしを見て笑う舞さんの様子ではっとした。