fantasista 2






お母さんの夫の小川さんは、柊に興味津々だった。

サッカーの話をずっとしていて、柊も笑顔でそれに答えている。

そしてあたしは柊に見惚れていた。




いまだに不思議に思う。

こうやって五年の時を経てあたしたちは再開し、結婚することになるなんて。

モテモテチャラチャラだった柊が、女の子に興味がなくなってしまうなんて。

そして、あたしだけを愛してくれるなんて。






「僕にも二十六になる娘がいてね、アスールが大好きなんだよ」




小川さんが柊に言う。

そしてありがとうございますと頭を下げる柊。




「彼女も昔、アスールの彼氏がいたらしくて。

……確か、黒木だったかな?」


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