fantasista 2
だけど、今日の戸崎は違っていた。
冷たい瞳であたしを見て告げる。
「冗談でもあんなこと言われたら気分悪いだろ」
確かにそうだ。
逆の立場なら、怒るというよりへこんしまう。
……高校生の時はずっとそうだった。
「それに、あいつは冗談なんて言ってねぇ。
あいつは気になる女は片っ端から手ェ出す、猿みたいな男だ」
「それ、あんたでしょ」
とうとうあたしは吐き捨てていた。
戸崎は自分のことを棚に上げて、何を言ってるんだ。