fantasista 2
「あんたなんてエンストすればいい」
「したらお前の思う壺だから、絶対しねぇ」
そう言いつつも、慣れた手つきで運転する柊に見惚れてしまう。
その血管の浮き出た、半袖の跡がくっきりついた腕。
前方を眺めるその瞳。
全てが愛しい。
こうやって、隣の席に乗っているだけで胸が悲鳴を上げる。
甘い妄想を振り払うかのように首を振り、柊に聞く。
それは、美希という名前を聞いてから、ずっと気になっていたことだ。