fantasista 2
「あ、柚ちゃん」
不意に思い出したように、柊のお父さんが柚ちゃんに聞く。
「新しいエフェクター、壊れたみたいだけど治せない?」
「うーん……
あたしも機械関係苦手だからなぁ……」
難しい顔の二人に、
「そんなの蹴っ飛ばせば直るだろ。
親父のアタマも一回蹴っ飛ばす必要があるな」
柊は相変わらず毒を吐く。
そして、
「パパはいまだに不思議だよぉ。
なんでパパとママから、柊君みたいな乱暴な子が生まれたのか……」
「うるせぇな!
親父がロックバンドなんて組んでるからだろ!!」
やっぱり言い合いを始めてしまう。
その言い合いすら所々に愛を感じて、一人でにやけていたんだ。
柊のお父さんお母さん、こんなに素敵な柊に会わせてくれて、ありがとうございます。
かっこよくて、まっすぐで、優しくて、時々甘くって。
大好きな柊と一緒にいられると思うと、すごくすごく嬉しい。
柊と結婚できるあたしは幸せ者だ。