fantasista 2






あたしたちの間に気まずい沈黙が流れる。

戸崎はごめんと謝ってくれるかと思ったが、不機嫌そうに腕を組んであたしを見ているだけだった。

それがあたしを苛立たせる。





「あたしは高校生の時、毎日そんな思いだった」



「じゃあ俺は、昔のことを毎日謝らないといけねぇのかよ!」



「謝ってよ!

これを機に、あたしの気持ちを思い知るといい!!」





耐えられなかった。

戸崎が剛君ばかり責めるから。

あたしは昔、もっと酷くて惨めな毎日を送っていたのに!





「もう、あんたなんて知らない!」





あたしは戸崎に吐き捨て、家を飛び出していた。

そして、全身で震えていた。



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