fantasista 2
そして……
「あんた、あれやって名誉挽回したら?」
テニスを終えたあたしはとあるものを指差していた。
サッカーのキックターゲットだ。
指をさしながらドキドキした。
だって、柊がボールを蹴るところを間近で見られるから。
かっこいいだろうな。
見惚れてしまうだろうな。
想像するだけで顔が真っ赤になる。
「あんなの楽勝だろ」
柊は得意げにボールを手に取った。
柊のプレーはいつも欠かさず観ている。
テレビだったり、スタジアムだったり。
だけど、間近で見たのは高校時代が最後だ。