fantasista 2
気を取り直して背筋を伸ばす。
いつまでもデレデレしていてはいけない。
気持ちのスイッチを戦闘モードに入れ替える。
これから俺たちは試合に臨む。
たくさんのサポーターと……みどりが応援してくれている。
その声援に応えられるよう、俺は全力でボールに向かう。
「行くぞ!」
立ち上がりロッカールームを出る。
ピッチに入ると割れんばかりの声援が聞こえる。
ぐるりと見回すと、スタジアムは青一色に染められていて、みどりはどのあたりにいるのだろうと考えたりした。
みどりの存在が俺の力になる。
みどりのために、俺は頑張れる。
ホイッスルが鳴り、俺は黄色のボールを負った。
全力で、全ての力を出し切って。