fantasista 2
「これで指輪も付けられるな。
試合の時は付けられねぇのが残念だけど」
柊はクローゼットに大切に保管してあった紙袋を取り出す。
紙袋の中の小箱を開けると、二つのペアリングがきらきらと輝いていた。
眩しくて幸せな光だった。
柊はあたしの左手に触れ、優しく持ち上げる。
柊が触れた瞬間、ピリリッと電流が流れた。
手なんていつも繋いでいるのに、いまだにドキドキしてしまう。
柊に触れるだけで火傷してしまいそう。
彼は輝くエタニティリングを、そっと優しくあたしの左手の薬指にはめてくれる。
初めて素肌に触れた冷たい指輪は、相変わらずキラキラと温かい光で輝いていた。