fantasista 2





「俺の指にもはめろよ」




その声に促されて、柊の手に触れる。

あたしの手よりずっと大きくて、ごつごつしていて男らしいその手。

柊はこの手であたしを撫で、あたしを抱きしめてくれるんだ。

そう思うとやっぱり身体が熱くなって、好きが大きくなる。

ちらりと柊を見上げると、少し頰を染めて優しい笑顔であたしを見てくれた。

柊がこんなに照れ屋だとは思わなかった。

そして、こんなにもあたしを好きでいてくれるなんて思っていなかった。

柊のただ一人になれて、すごく嬉しい。






あたしの指輪よりも大きい、プラチナのシンプルな指輪をそっとはめる。

指輪が輝く柊の手は愛しくて、何だか色気すらあって。

右手で柊の手を握りながら、左手で柊に抱きついていたんだ。


< 328 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop