fantasista 2
「俺の指にもはめろよ」
その声に促されて、柊の手に触れる。
あたしの手よりずっと大きくて、ごつごつしていて男らしいその手。
柊はこの手であたしを撫で、あたしを抱きしめてくれるんだ。
そう思うとやっぱり身体が熱くなって、好きが大きくなる。
ちらりと柊を見上げると、少し頰を染めて優しい笑顔であたしを見てくれた。
柊がこんなに照れ屋だとは思わなかった。
そして、こんなにもあたしを好きでいてくれるなんて思っていなかった。
柊のただ一人になれて、すごく嬉しい。
あたしの指輪よりも大きい、プラチナのシンプルな指輪をそっとはめる。
指輪が輝く柊の手は愛しくて、何だか色気すらあって。
右手で柊の手を握りながら、左手で柊に抱きついていたんだ。