fantasista 2





あたしは目の前の柊を見る。

あの時よりも背が伸びて、筋肉質になって、日に焼けて。

柊は知らない間に立派な男性になっていた。

そんな柊を見ると、胸のときめきが止まらない。

身体がぼっと熱を持つ。

顔がにやけてしまう。






「笑うんじゃねぇよ!

人は一つや二つ、秘密くらいあるだろ!」



「もしかしてあんた、まだあたしに隠してることあるの!?

まさか、女関係?」



「ねぇよ!」




柊は卒業アルバムを閉じて、クローゼットに押し込む。

そのまま嫌そうな顔であたしを見た。




「マジでお前だけなんだからな!」





その言葉がすごく嬉しい。

分かっているからこそ、柊をいじめてしまう。



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