fantasista 2
「おい、山形」
大迫さんがあたしを呼び、
「なんですか?」
あたしは嫌そうに答えた。
柊と結婚して戸崎になったものの、会社では山形と呼ばれている。
戸崎なんて呼ばれたら真っ赤になってしまうから、それで良かったと思っている。
そんな昼下がり……
「今年の部署別球技大会、フットサルらしいな」
大迫さんが言う。
「山形、出るよな?」
そんな大迫さんを睨み、
「はぁ!?冗談じゃないです」
あたしは声を荒げていた。