fantasista 2
大迫さんの考えていることは聞かなくてもすぐ分かる。
それでも、ご丁寧にあたしに告げてくれる。
「山形、旦那に教えてもらったらいいじゃん」
「……はぁ」
「だって女性が出たら、それだけで二点加算だぞ?」
「二点くらいすぐ取られますよ」
あたしはため息まじりに答えていた。
それでも、生意気なことを言っているということは分かっている。
基本的に球技大会は新人の仕事だ。
あたしは二年目だが部署の中で一番若い。
「出ますが……
あいつと比べないでください」
気まずそうに大迫さんに告げる。
「あたしウィイレは得意ですが、サッカーなんてやったことないですから」