fantasista 2
コール後すぐに戸崎が出る。
「山形か?さっきは悪か……」
「ごめん……」
やっぱり優しい戸崎の言葉を遮った。
「ごめん……帰るから。
迎えに来て」
「あぁ……」
戸崎は静かに返事を返すが、どこか嬉しそうだった。
そして、戸崎の声を聞くとあたしもにやけてしまう。
やっぱり戸崎が好きだ、大好きなんだ!
「五分以内に迎えに来て。
そうしないと、舞さんと二件目行っちゃうから!」
「はぁ?ふざけんなてめぇ!
すぐに行くから待ってろ!!」
戸崎に振り回されていると思っていた。
だけど、今はあたしが戸崎を振り回しているのかもしれない。