fantasista 2






「あー……やっぱり妬くな」




あたしを抱き寄せたまま、柊は耳元で囁く。

吐息が耳にかかり、身体を震わせた。





「お前、男と楽しそうに話してるからな」



「でも、あたしには柊だけだよ」




そう言って気付いた。

あたしは男性とも仲良く話すのに、柊は女性とは話さない。

柊にチャラいなんて言って、結局あたしは昔の柊と同じことをしているのかもしれない。





「……ま、妬くけど気にすんな。

お前が俺様しか見えていないっつーことは確実だから」




その自信たっぷりの言葉に反撃したくなるが、残念ながら柊の言う通りだ。

あたしには、柊しかいない。



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