fantasista 2





あたしは柊を見上げる。

当時はカッコイイと持て囃されただけあって、整った上品な顔立ちをしている。

その顔で、幸せそうにあたしを見て笑う。

例外なく真っ赤になって、頰が緩んで俯いた。





「しかしなぁ〜

……オトコオンナが女になってるとは」



「チャラ男がマトモになってるとは」




そうやって冗談を言い合う時間すら愛しい。

これからも、ずっとずっと柊と笑って過ごしたい。




大好きな柊の手にそっと触れると、柊は優しくその指を絡めてくれる。

大きくて優しいその手に、胸が甘くときめく。



< 365 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop