fantasista 2








家に帰って夕食の仕込みをする。

今日は疲労回復特製スープに雑穀ご飯、魚の煮付け、フルーツだ。

こんなあたしの作った食事を、柊はただ美味いと言って食べてくれる。

その柊の笑顔があたしのご馳走だ。





そして……



とうとう試合の時間になる。

あたしはテレビに噛り付き、液晶画面の中に青いユニフォーム姿の柊が映る。

この前のフットサル大会のような生易しいパフォーマンスではなかった。

その大きいコートを駆け回り、貪欲にボールに食らいつき、果敢に攻める。

正確なパスに、空いたスペースを上手く使ったプレー。

豪快なヘディングに、左足から繰り出される豪速の無回転シュート。

その全てに焦がれ、目が離せなくなる。

サッカーをしている柊はかっこいい。

ユニフォームを着た姿だけでなく、そのプレーにも魅せられるんだ。


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