fantasista 2






「お前があの女のことを気にしているのは分かっていた。

俺は昔馬鹿なことをしていたし、どうしようもないほどお前を傷付けたと思う」





どうしようもないほど傷付いた。

当時は柊とは付き合っていなかったとはいえ……大好きな柊が巨乳を抱いている姿が頭から離れなくて、泣きそうな顔で笑っていたんだ。

一生懸命平静を装って。





「過去に戻れるなら、あの頃の俺をぶっ飛ばしたい。

それくらい自分に苛ついている」





柊の言葉は本当だと思う。

やっぱり完璧に傷は癒えないが、少しだけかさぶたで埋まっていく。

あたしは柊のシャツをぎゅっと握りしめた。


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