fantasista 2
「でも……言い訳かもしれないけど……
みどりだけだから。
こんなにも抱きたいと思って、でも簡単に抱けなくて、触れるだけで頭ん中真っ白になって、満足してるかとか、身体辛くないかとか気になるの、みどりだけだから」
あたしを抱きしめる柊は、少しだけ震えていた。
その、不器用なまでの柊の言葉をしっかりと受け止める。
「俺は気持ちがなくても女を抱ける。
でも、お前にはこんなに馬鹿みたいに狂って、童貞みたいに心臓止まりそうになって、必死で抱くんだ」
柊はあたしの髪をそっと撫でる。
その優しい手に、全身の毛穴がきゅーっと閉まる。