fantasista 2






「ごめんね」




あたしはそっと柊の短い髪に触れる。

そして優しく撫でると、甘えた子犬のように目を細めた。

そんな柊が愛しい。

どんな言葉でも言い表せないほど愛しい。





「不安にさせてごめんね。

あたしにも、柊しかいないよ」




あたしには、溢れ出るこの気持ちを柊に伝える術はない。

だけど、柊の気持ちに負けず劣らず柊を愛している。

泣きそうな顔で笑う柊を、いつまでも抱きしめていた。


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