fantasista 2

9








迎えた十月某日、大好きな柊の誕生日。

この日、あたしたちは晴れて結婚式を挙げた。






初めて着るウェディングドレスは予想以上に重くて動きにくくて。

だけど、鏡に映るあたしは、もはやオトコオンナではなかった。

少し伸びたセミロングヘアをゆるくアップにし、白いベールを付ける。

ペチャパイのオトコオンナなのに、今のあたしはまるでお姫様のようだった。




思わず自分に見惚れていると……

扉がノックされ、乱暴に開かれる。

そして、



「みどり!あのな……!!」



大好きな柊が飛び込んでいた。

あたしはそんな柊に釘付けになる。


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