fantasista 2
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迎えた十月某日、大好きな柊の誕生日。
この日、あたしたちは晴れて結婚式を挙げた。
初めて着るウェディングドレスは予想以上に重くて動きにくくて。
だけど、鏡に映るあたしは、もはやオトコオンナではなかった。
少し伸びたセミロングヘアをゆるくアップにし、白いベールを付ける。
ペチャパイのオトコオンナなのに、今のあたしはまるでお姫様のようだった。
思わず自分に見惚れていると……
扉がノックされ、乱暴に開かれる。
そして、
「みどり!あのな……!!」
大好きな柊が飛び込んでいた。
あたしはそんな柊に釘付けになる。