fantasista 2





何回もキスをし、愛を確かめ合った。

やっと離れたお互いの顔はぐちゃぐちゃになっていて、二人で笑ってしまった。

こんな馬鹿な出来事すら愛しい。

これからもこうやって、柊と笑いあっていけるんだ。






少し落ち着いたあたしは柊に聞く。




「……で、どうしたの?」



「あぁ、そうだ」




柊は思い出したように気まずい顔をする。




「こんな時なのに、親父が酔っ払って狂乱してる」



「……はぁ」



「親族控室で泣き続けているらしくて、マジでうぜぇ」




柊はまたそんなことを言うけど、やっぱり嬉しそうだった。


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