fantasista 2
化粧を直し親族控室に行くと……
あたしの開いた口は塞がらなかった。
「ちょっとお父さん!
まだ何も始まっていないんだよぉ?」
困った声の柚ちゃんに、
「お父さん嬉しくて嬉しくて」
柊のお父さんは椅子に腰掛けて真っ赤な顔で号泣していた。
それだけではない、
「お母さんも嬉しくて嬉しくて」
なんと柊のお母さんも同じように号泣しているのだ。
そして、
「あたしも泣けてきたよぉ」
柚ちゃんまで涙を拭き、
「泣くな馬鹿野郎!
俺まで泣けてくるだろ!!」
真っ赤な顔で叫ぶ柊。
そんな四人を見て、あたしまで泣けてきそうだった。
幸せな家族に、幸せな結婚式。
あたしは柊と結婚出来て、本当に幸せだ。