fantasista 2






化粧を直し親族控室に行くと……

あたしの開いた口は塞がらなかった。





「ちょっとお父さん!

まだ何も始まっていないんだよぉ?」



困った声の柚ちゃんに、



「お父さん嬉しくて嬉しくて」



柊のお父さんは椅子に腰掛けて真っ赤な顔で号泣していた。

それだけではない、



「お母さんも嬉しくて嬉しくて」



なんと柊のお母さんも同じように号泣しているのだ。

そして、



「あたしも泣けてきたよぉ」




柚ちゃんまで涙を拭き、



「泣くな馬鹿野郎!

俺まで泣けてくるだろ!!」



真っ赤な顔で叫ぶ柊。

そんな四人を見て、あたしまで泣けてきそうだった。

幸せな家族に、幸せな結婚式。

あたしは柊と結婚出来て、本当に幸せだ。


< 388 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop