fantasista 2
そして……
仕事を終え、最近の日課である戸崎の家に急ぐ。
今日は何を作ってあげよう。
喜んでくれるかな。
そんなことばかり考えてチャイムを押したが……
扉を開いた戸崎は、すっごい嫌な顔で、
「げっ……来たのか」
なんて言う。
その言葉と態度が胸にぐさっと突き刺さる。
どうやら戸崎はあたしに会いたくないらしい。
酷いことを言って貶したから?
あたし、もう、愛想尽かされた?
それとも……
もしかして浮気?
嫌な想像ばかりが頭を駆け巡る。
戸崎はあたしのこと、もう好きではないのかな。
そう思うと胸がずきんと痛んだ。