fantasista 2





その後何度も危ない状況になり、二点を入れられてしまったアスール東京。

試合時間も残り五分になり、今日の試合は負け試合かと諦めてしまう。

でも、テレビの中の戸崎は全然諦めていなくて。

力の入らない身体に鞭打って、全力でピッチを走っていて。

その姿に感動さえする。




そして……



こんな時なのにどきんとしてしまう。

戸崎を背負った時の、あの身体の固さ。

あたしに触れるその手の優しさ。

そして、一ヶ月以上も前に一回だけ抱いてくれた時のこと。




あぁ、もっと戸崎に触れたい。

一日会えないだけで、こんなにも寂しいなんて。

あたし、なに女の子しているんだろう。


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