fantasista 2
残り三分。
後方からのロングパスに追いつく剛君。
剛君の前はゴールキーパーしかいない。
これはチャンスだ!
剛君は意表を突く下部ギリギリのシュートを放ち……
それは見事にキーパーの手の間をすり抜け……ネットを揺らす。
ゴールに喜び手を上げて駆け回る剛君は、戸崎とハイタッチをする。
それを見て、ズキリとした。
戸崎は剛君のことをどう思っているんだろう。
あたしだったら、ハイタッチなんてしたくない。
戸崎みたいに自然な態度を取れないかもしれない。
プライベートを試合に持ち込まないところはさすがだと思った。