fantasista 2
ドキドキなんて全然しない。
一刻も早く帰って欲しい。
そう願うのに、あたしと気持ちはなかなか伝わらない。
いや、伝わっていないふりをしているのかもしれない。
剛君は急にあたしを持ち上げる。
いとも容易く、お姫様抱っこで。
こんなのやめて欲しい。
出来たら、戸崎にしてもらいたかったよ!
戸崎にお姫様抱っこされている自分を想像すると、今までの冷めた気持ちが嘘のように胸がきゅんきゅんするのだった。
剛君はあたしを優しくベッドに降ろす。
そして、自分もベッドの淵に腰掛ける。
あたしに触れる時は戸崎みたいに優しくて、女の扱いに慣れているんだと思ってしまう。