fantasista 2
「柊を呼ぶとかやめろよ」
剛君は言う。
「せっかく俺が二得点を挙げたんだ。
こういう日は、好きな女と一緒に過ごしたいだろ」
「よく言うよ。あたしは柊の彼女なのに」
ぽつりと呟いた。
剛君が戸崎だったら良かった。
必死に試合を頑張って、誇れる結果を出して。
戸崎になら、笑顔でお疲れ様と言える。
すると戸崎はあたしの大好きなあの顔で笑ってくれるんだ。
こんな時にまで戸崎のことばかり考えるあたし。
戸崎への気持ちはどんどん大きくなっていることに気付く。