fantasista 2
「剛君、ごめん」
あたしは静かに告げる。
「あたしには、戸崎以外の男性なんて考えられないんだ」
剛君の気持ちがどこまで本気か分からないけど、あたしは絶対に剛君を好きになることはない。
剛君は口角を上げてあたしを見た。
これだけ言ったのに、剛君は自信満々のようだ。
「前にも言っただろ?
手の届かない相手ほど燃えるって。
簡単には諦めてやらねぇよ」
そう言い残して去っていった。
剛君が消えた玄関の扉を見ながら、あたしは怯えていた。
剛君がまた帰ってくるのではないかと思って。
あたしは、強引で自信満々な剛君が怖い……