fantasista 2
傷つくって何?
何でそんなことになるの?
あたし、こうも戸崎に焦がれて、こうも待っているのに!
それほどまでに、あたしの言葉が戸崎を傷つけたんだ。
傷ついているのは、戸崎のほうだ。
「ごめん……」
思わず謝るあたしに、
「何でお前が謝るんだ?」
戸崎は相変わらずぶっきらぼうに言う。
「俺、山形のこと、大切にしたかったのに」
大切にしてくれてるじゃん!
戸崎はびっくりするほど大切にしてくれている。
この幸せが怖いほど。
そんな戸崎に、もっと触れたいと伝えたい。
そして、心ない言葉を謝りたい。
きっと、今の戸崎は剛君の出現で焦っている。
あたしもかつては不安な毎日を過ごしていたから。
こんな時こそ戸崎を安心させてあげないと。