fantasista 2





「抱いて欲しい」




そう告げるあたしの顔は、戸崎よりも真っ赤かもしれない。

驚いてあたしを見る戸崎を、見返すことが出来なかった。

ただひたすら鼓動が早く、胸がきゅーっと締め付けられる。




「山形……嫌だって……」



「嫌じゃない。戸崎だから、嫌じゃない」




あたしは真っ赤な顔で俯いて立っていた。





我ながら、なんてことを言っているのだろうと思って。

そして、あの時の戸崎の優しさを思い出すと、胸がきゅんと切なくなって。

戸崎の甘さを思い出すと、身体が熱を持って疼いて。

間違いなく、あたしは戸崎を待っている。



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