fantasista 2
不意に頭を優しく撫でられた。
あたしの大好きなその大きい手で。
胸がとくんと飛び跳ねる。
相変わらず真っ赤なあたしの顎を、くいっと上げる戸崎。
上げられた視線の先には戸崎の綺麗な瞳があって。
甘くて熱っぽいその瞳を見ると、身体中からきゅんと甘い音が聞こえてくるようで。
吸い込まれたように視線を離せなくなる。
「あーもう……すげぇ好きだ」
戸崎は頰を染めたまま、低く呟く。
「絶対、他の男なんかに渡さねぇから」
そう言って、唇を重ねる戸崎。
街行く人がいるというのに。
まだまだ辺りも明るいというのに。
あたしたちは、とろけるようなキスを交わした。
触れれば触れるほど、溺れていく。
好きという気持ちには、限度がないかと思えるほどに。
あたしは、戸崎にどこまで堕ちていくのだろう。