ただひとりの運命の人は、私の兄でした
穏やかな朝の陽ざしの中、私はゆっくりと瞼を持ち上げた。
「ん……」
何度か瞬きして、少しずつ意識を覚醒させていく。逞しい腕が自分の身体に巻きついているのが目に入り、思わずふっと笑う。
「おはよ、あおい」
「おはよう、光希。起きてたんだ?」
「うん。寝顔見てた」
「やだ、ぶさいくなのに……」
「可愛いよ、とっても」
私は恥ずかしくなってもぞもぞと動いて、光希の厚い胸板に額を擦り寄せた。
こうして甘えてみたいと夢見ていた時期もあった。それが現実になる日がくるなんて。
私の頭を柔らかく撫でてくれる大きな手。ありあまるほどの愛情を感じ、幸福感が胸一杯に広がる。
「ねぇ、あおい。僕は君が好きだよ。僕たちが年をとって、お互いにしわくちゃになっても、ずっと君を愛するよ」
「ふふっ、本当?」
「もちろんだよ。愛してるよ、あおい」
「私も愛してる、光希……」
手を重ね、指を絡め合う。
ただあなたの傍に寄り添っていられれば、それだけで私の世界は輝きだす。
いつまでも消えない輝きが、この両手に。
きっとしわしわのおばあさんになっても、光希の隣でならきっと私は笑っていられるのだ。
私のただひとりの運命の人。
きっと私はいつまでもあなたの愛に溺れ、幸せの海を漂うことだろう。
「ん……」
何度か瞬きして、少しずつ意識を覚醒させていく。逞しい腕が自分の身体に巻きついているのが目に入り、思わずふっと笑う。
「おはよ、あおい」
「おはよう、光希。起きてたんだ?」
「うん。寝顔見てた」
「やだ、ぶさいくなのに……」
「可愛いよ、とっても」
私は恥ずかしくなってもぞもぞと動いて、光希の厚い胸板に額を擦り寄せた。
こうして甘えてみたいと夢見ていた時期もあった。それが現実になる日がくるなんて。
私の頭を柔らかく撫でてくれる大きな手。ありあまるほどの愛情を感じ、幸福感が胸一杯に広がる。
「ねぇ、あおい。僕は君が好きだよ。僕たちが年をとって、お互いにしわくちゃになっても、ずっと君を愛するよ」
「ふふっ、本当?」
「もちろんだよ。愛してるよ、あおい」
「私も愛してる、光希……」
手を重ね、指を絡め合う。
ただあなたの傍に寄り添っていられれば、それだけで私の世界は輝きだす。
いつまでも消えない輝きが、この両手に。
きっとしわしわのおばあさんになっても、光希の隣でならきっと私は笑っていられるのだ。
私のただひとりの運命の人。
きっと私はいつまでもあなたの愛に溺れ、幸せの海を漂うことだろう。