その恋、記憶にございませんっ!
「大丈夫だ。
悪いようにはしない」
ま、ますます悪役じみて来ましたが……。
「ちょっとキスとかしてみたいだけだ」
いやこれ、ちょっとキスとかしてみたいって、体勢じゃないですよねっ?
今にも上に乗ってきそうな蘇芳に、助けてっ、と目で訴えると、蘇芳は何故か照れたように視線をそらす。
反応おかしいですよっ!? と思っていると、蘇芳は、
「この間、宮本が来たとき、ほんとは口にキスしたかったんだ。
ちょっと恥ずかしかったのと。
お前とするのは初めてなのに、瞬間的にちょっとするだけじゃもったいない気がして、頬にしかしなかったんだが。
その分、今日はさせてくれ」
と言ってきた。
あのっ!
その照れたような口調や顔つきと、やってることが一致してませんしっ。
最後の、させてくれ、は完全に強行してやる気で、私の意見は求めてませんよねっ?
そう唯が心の中で叫んだとき、蘇芳がそっと口を塞ぐ手を緩めてくれた。
いや、そのままではキス出来なかったからかもしれないが――。
悪いようにはしない」
ま、ますます悪役じみて来ましたが……。
「ちょっとキスとかしてみたいだけだ」
いやこれ、ちょっとキスとかしてみたいって、体勢じゃないですよねっ?
今にも上に乗ってきそうな蘇芳に、助けてっ、と目で訴えると、蘇芳は何故か照れたように視線をそらす。
反応おかしいですよっ!? と思っていると、蘇芳は、
「この間、宮本が来たとき、ほんとは口にキスしたかったんだ。
ちょっと恥ずかしかったのと。
お前とするのは初めてなのに、瞬間的にちょっとするだけじゃもったいない気がして、頬にしかしなかったんだが。
その分、今日はさせてくれ」
と言ってきた。
あのっ!
その照れたような口調や顔つきと、やってることが一致してませんしっ。
最後の、させてくれ、は完全に強行してやる気で、私の意見は求めてませんよねっ?
そう唯が心の中で叫んだとき、蘇芳がそっと口を塞ぐ手を緩めてくれた。
いや、そのままではキス出来なかったからかもしれないが――。