その恋、記憶にございませんっ!
「貴女と最初に此処へ戻ってきた晩、プロポーズらしいプロポーズは出来ませんでしたが。
馬には乗ってみよ、人には添うてみよと言うじゃないですか」
……それ、さっき、聞きました、と思っていると、蘇芳は唯の手を取り、言ってきた。
「ぜひ、私に乗ってみてください」
いや……貴方、人ですけど、と思ったのだが、言っては悪い気がして、そのまま黙って、手を握られていた。
馬には乗ってみよ、人には添うてみよと言うじゃないですか」
……それ、さっき、聞きました、と思っていると、蘇芳は唯の手を取り、言ってきた。
「ぜひ、私に乗ってみてください」
いや……貴方、人ですけど、と思ったのだが、言っては悪い気がして、そのまま黙って、手を握られていた。