その恋、記憶にございませんっ!
「今の間に、前田唯様の素性は調べてございます」

 盗み聞きしたうえに、勝手に身上調査まで――。

 自分が雇っているのでなければ、クビにしたい……と思いながら、蘇芳は表情ひとつ変えないお目付役の顔を眺めていた。






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