365日、いつまでもふたりで
「あ、あぁ……って俺こんなの頼んだか?」


「いえ、あたしが勝手に。明日使いますよね?」


「あー……そうだな」



茜の前に俺が教育係をしていた後輩。
去年1年間、俺と仕事を共にしていたからか、俺の仕事の手伝いをするくせが未だに抜けてない。



「須坂さんの予定なら、把握していますから」


「いや、もうお前は独り立ちしてるんだから俺のことはかまわないでいいんだぞ……まぁ、ありがとう」



これから残業をして明日の準備をしようとしていたから、ありがたくはある。
でも、林田も自分の仕事があるのだから、無理はして欲しくない。



「あたしがやりたいからやってるんです」


「やりたいからって……自分の仕事もあるだろうが」



林田は去年入った割に、仕事もできるし、担当している業務も多いのは知っている。
だから、俺の仕事のせいで林田が無理をするのは気になる。



「ずっと、須坂さんと組んでいたかったです」


「お前はもう新人じゃないだろ」



もらった紙でポンッと林田の頭を叩く。

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