365日、いつまでもふたりで
「茜ちゃん、羨ましいな」


「あ……夕凪が?」



思わず〝茜〟と言っしまいそうになって、言い直す。



「須坂さんと組めて羨ましいです」


「夕凪は新人だろ。どうせ来年には新しいやつが俺と組むんだよ」



そう。
いつまでも俺と茜が近くにいられるわけではない。
1年間の研修を経て、林田みたいにこの部署に残れる保証もない。
違う部署にいくやつだってたくさんいるんだから。



「いつまでも新人ならいいのに」


「なんだよ、それ」



林田みたいに仕事ができるやつが、いつまでも新人でいいなんて思うはずがなくて首を傾げる。



「お疲れ様でーす」



残っていた林田以外のやつらが部屋からでていく声が聞こえる。



「お疲れー」



ドアに目を向け、そいつらに片手をあげてから林田をもう1度見る。



「林田、仕事でなんかあったのか?」


「仕事は至って順調ですよ」


「なら、新人でなんてお前が思うはずがないだろうが」

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