365日、いつまでもふたりで
「茜、林田の話聞いたんだよな?」


「うん……聞くつもりじゃなかったんだけど」


「そんなの、わかってるよ」


ポンポンっと助手席に座る茜の頭を撫でる。



「不安にさせてごめんな。でも、林田にはちゃんと彼女がいるってことは告げたから」


「本当?」


「当たり前だろ。どんだけ俺が茜のこと好きだと思ってんだよ」



本当なら、誰にも見せたくないくらいだ。
本当なら、会社でだって茜は俺のだと言いふらしたい。
そんなガキ臭い考えをしてるなんて知られたくて、そんな考え口になんてできないけど。



「よかった……」


「あのさ、このアルバムは……?」



ダッシュボードからさっきのアルバムを取り出して、茜に見せる。



「これはね、300日記念だから。今日」


「300日……」



俺はいろんな記念日に詳しいけど、何日記念とかそういうのには結構疎かったりする。
やっぱり女の子は、そういう付き合ってから何日とかを気にしたりするんだな。

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