365日、いつまでもふたりで
「竜、彼女?」


「どうだっていいだろ」



質問にさらに不機嫌そうな顔になって、エレベーターへと向かう。



「チェックインとかいいの?」


「先に鍵、もらってるから」



あたしを見ることもなく、でも手は離さないで。
エレベーターへと向かう。



「あの人が友達?」


「違う。友達の奥さん……だな」



不機嫌そうな顔は変わらず、友達の奥さんと言った時の少し寂しそうな顔にもしかして昔の好きだった人なのが知れないと心の中に一抹の不安を感じる。



「じゃあ、御曹司の奥さんってことになるのか」


「ん。そうだな」



あたしのことを見ようとしない竜くんの心は見えてこない。

このまま一緒に部屋に行ってしまってもいいのだろうか。
こんな不安を抱えたまま、竜くんと2人でいてもいいのだろうか。



「着いたぞ」



エレベーターが目的の回に付いた音を鳴らしたと同時に、竜くんの声も聞こえる。

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