365日、いつまでもふたりで
「でも、竜くんが教育係じゃなくなったから残念だよ」


「まぁ……な」



茜が2年目になった、ということは教育係を口実に茜に近づくことはできなくなった。
最近ではあまり会社では関わることは出来ずにいる。

だから、こうして会っている時は茜の手を離したくなんてない。



「去年は会社でもたくさん話せて……それって幸せなことだったんだね。竜くん」


「そうだな……でも、これからも俺と茜は一緒だよ」


「うん、でももっと一緒にいたい」



俺だって、茜ともっとずっと一緒にいたい。
そんなの無理なことだってわかってる。
本当は、今年の新入社員の荒木に嫉妬している。

俺は一緒にいれないのに、俺よりも一緒にいれる男に嫉妬してしまってやばい。

だから、職場ではあまり茜のことを見ないようにした。
そうしないと、俺は荒木のことを……どうにかしてしまいそうだから。

新入社員の配属でこの課に男を入れた課長のことも恨んだ。

そんなバカなこと茜にはかっこ悪くて言えないけど。

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