365日、いつまでもふたりで
だから、今日言うと決めたんだ。

俺はポケットに手を入れる。

ポケットのなかで指が当たったそれにごくりと唾を飲む。



「茜」



少し前を歩いて空を見上げている茜に声をかける。



「ん?なぁに?」



相変わらずニコニコと笑っている茜に自然と俺も笑顔になる。



「竜くん、よく笑ってくれるようになったよね」


「そう?」


「うん。はじめの頃、あまり笑ってくれなかった」


「まぁ、昔から黙ってると仏頂面って言われてきたからな」



学生時代の友人とかの話では、俺は仏頂面でたまに笑う顔がレア級らしい。

でも、よく笑うようになったというならそれは、茜のおかげだろう。

茜と一緒にいるから自然と俺も笑顔になる。
茜が笑顔でいてくれるから、俺も笑顔になる。



「ふふ、そんな竜くんが笑ってくれるの凄く嬉しいよ」


「茜がいるからだよ。茜のおかげで俺はこうして笑えてる」



嘘偽りのない気持ちだった。

一緒にいればいるほど募るこの想いに。
今日は決着をつけにきた。

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