365日、いつまでもふたりで
「ここ」



車が停止する。



「ここ?」



ついた場所を窓から見ると、きらびやかな光が見える。



「タワー?」



地元にあるタワーがそびたっていた。



「うん」


「なんかいつもよりライトアップされてるね」


「だろ?今日は展望の日なんだ」



得意げな顔になる竜くん。



「……展望の日」



だから、いつもよりライトアップされていて綺麗になってるんだとか。



「……綺麗」


「降りて、回り歩こうか」


「うん!」



あたしの言葉に竜くんがシートベルトを外す。



「綺麗なとこって好きだな……」


「だと思った」



あまり竜くんとは、好きなものとかの話を意外にしない。



「よく、わかったね」


「茜のことずっと見てきたからな」



あたしの髪の毛に手を触れて、微笑む姿が胸をきゅうっとさせる。



「あたしももっと知らなきゃ……」



思えば竜くんのことを全然知らない。

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