365日、いつまでもふたりで
「いんだよ。俺のことはおいおいで」


「でも、竜くんがしってくれてるのに……」


「俺の幸せは、茜といることだから。茜はそのまんまで俺のとなりにいてくれればいいんだよ」


「……竜くん」



ここまであたしに愛をくれる竜くんに、あたしは同じだけのものを返せてるのだろうか。

わからないけど、このままでいいと言ってくれてるから。
竜くんの言うとおり、このままでいよう。



「このタワーさ」


「ん?」


「展望の日に一緒に回りを歩くと、永遠に一緒にいれんだって」



タワーを見ながら、小さい声だけど確実に言葉を発する。



「……そうなの?」


「うん。こんなジンクス信じるとか俺っぽくなくて恥ずかしいけど……」



照れてるのか、タワーを見たままであたしを見ようとはしない。



「恥ずかしくなんかないよ!嬉しいよ!」



必死に言うと、ぷっと竜くんが吹き出した。


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