365日、いつまでもふたりで
「あそこ行こう」



須坂さんが指さしたのは会社近くにある公園。



「…公園?」



須坂さんのイメージからはかけ離れていて不思議に思う。



「俺だって公園くらい行くから」



普段笑わない須坂さんがふっと笑う。
その笑みにあたしの心は奪われるんだ。



「これ、やりたいんだ」



須坂さんがカバンから出したのは二本の線香花火。



「線香花火…?」


「また柄にもなくとか思ってんだろ?」



その通りすぎて思わず頷いてしまう。



「素直だな」


〝そういうとこがいんだけど〟



とそっとあたしのおでこにキスを落とす。



「す、ざかさん…」


「お前さ、アイツのこと好きなの?」


「え?」


あたしが好きなのは目の前にいる貴方であって。
ほかの誰でもないことを気づいてはくれないのだろうか。



「塚田のこと」


「元太のことは何とも…」


「ふーん。あいつは違うよな」


「…たぶん」



そんなのいくらあたしだって気づいてる。
なのに、どうしてあたしの気持ちに気づいてくれないのだろうか。

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