365日、いつまでもふたりで
「まぁ、いいか。はい」



あたしに線香花火を1本握らせて彼はしゃがむ。
あたしも彼の向かいに腰を落とす。



「俺が先に落ちたら…」


「落ちたら?」


「お前から離れてやるよ」



あたしを見るその目は真剣だった。



「なん…」


「お前が先に落ちたら…」



須坂さんが言い終わる前にあたしは線香花火を地面に置く。



「夕凪?」


「なんで離れるんですか?」


「お前、嫌じゃないのか?」



須坂さんも線香花火を地面に置いてあたしの頬を両手で包む。



「あたしの頭を須坂さんでいっぱいにしたのは須坂さんなのに!ずるい!」



気づけば須坂さんに向かって叫んでた。



「俺でいっぱいなの?」


「あんなことされて須坂さんのこと気にならないなんて、あたしには無理です!須坂さんはからかっただけなのかもしれないけど、中途半端にしないでください!」



須坂さんがあたしの腕を彼の方に引っ張る。

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